ワークショップで使う家具と器のはなし





このワークショップで使うティーセット(家具と器)は、私が5年間住んでいた、フィンランドの森のはずれにあった古い小屋が取り壊された時に、分けてもらった壁材をスタートに制作したものです。
もらった壁の木材には、その前の小屋で使われていたであろうとても古い材と比較的新しい材と、様々な表情の木が混ざっていました。私の手元にきた、ランダムで表情豊かな古い木材と、その小屋の背景にあるフィンランドの森が重なり、木が様々にかたちを変えながらわたしの生活の中にありつづけることを感じました。まるでしりとりをするかのように、その変化をもうひとつ引き継いでみたくて制作したのがこの家具と器のセットです。
お茶を飲みながらみんなが空間の記憶をもちよる時間を思い描いて作ったので、これは少し大きいけれど、ティーセットと呼びたいと思います。

このティーセットを制作したフィンランドでは、'Home'というテーマで、参加者それぞれにとっての’いえ’を、五感を通して言葉とオブジェクトで描いてもらうワークショプを開きました。フィンランドの街の中や、島で行われたワークショップを通して、このティーセットは人々の記憶の空間を集めているんだなと思いました。

いろいろな場所へこのティーセットが行って、そこに住む人たちの日常の記憶の空間を集めたいと思いました。記憶の空間を集めながら旅をつづける家具にしたくて、家具のパーツがばらばらになって、1つの箱に収まるようにデザインをしました。

小さな箱に収まっていれば、どこにでも行ける。

さて。水戸ではどんな記憶の空間を集めるのでしょう。

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